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第48回日本芸術療法学会のご案内

第48回日本芸術療法学会によせて

会長 伊集院 清一(多摩美術大学教授)

私が本学会の会長を務めるのは、2000 年ミレニアムの年の第32 回に次いで2 回目となる。勤め先も現大 学に移り心機一転しての今回となった。前回大会では、差異化と非差異化の問題に焦点を当て、特に表現精神病理学に軸足を置いて、シンポジストの先生を選ばせていただき、特別講演にはU.S.A. からXenia Lucas先生をお招きした。

今回は、舞台が美大ということもあり、その特性を存分に活かせるように大会テーマをセッティングした。 実は、この大会に先立って、科学研究費で「芸術と芸術療法の他分野融合研究がもたらすもの」というテーマを扱ってきている。これは、今日の日本の芸術療法が、精神医学や臨床心理学から形づくられたものであり、昨今に至っては、やや頭打ちなのではないか、という私の率直な感想から発している。

なるほど、50 年近くをかけ、わが国の芸術療法は目覚ましい発展を遂げてきた。とくに、理論面の構築、 次いで種々の技法の開発、多方面への拡散においてである。しかし、最近は少しその内在力やスピードに翳 りが見えてきたといわざるをえない。大会を毎年欠かさず見てきた者の率直な感想である。これは、この歳 月が主に精神医療系、心理系、福祉系や作業療法系により結晶化したものであり、それがひと段落ついたか らなのではないか、と感じられる。

日本の表現精神病理学や芸術療法は、芸術系の関与をあまり受けないで発展してきた。それは、海外の学 会を訪ねてみると歴然としている。海外では、芸術系からのアプローチが盛んであるし、それがまた彩りや、 参加者に潤いを与えてもいる。日本でも、もう少しこういう動きがあってもよいのではないか、いや、日本 のこの現状であるからこそ、芸術系に改めて参画してもらい、その化学反応を通して、新しい芸術療法の理 論化や技法が産み出されるのではないか、という思いから、科学研究費を申請した。そして、そのひとつの 集大成となるのが今大会なのである。

したがって、大会テーマは、「芸術と芸術療法の融合」とした。シンポジウムでは、できるだけ芸術系の方、 特に本校からの出演を図った。多摩美教授、版画科学科長の渡辺達正先生、同じく多摩美教授、西洋美術史 の諸川春樹先生、多摩美名誉教授、建築が専門の森下清子先生である。そして、精神科医にしてジャズピア ニスト、関東中央病院メンタルヘルスセンター長の松浪克文先生をお呼びした。多摩美という舞台で織り成 す芸術系と、本来の芸術療法系である聴衆がどのような議論を展開するか、そこから果たして新しい未来の 芸術療法像が見えてくるか、を演出したかった。もちろん、その鍵を握るのは、指定討論者である山中康裕 先生である。また、特別講演には、美術評論家としても高名な本校学長の建畠晢先生をお招きし、日本を代 表する作家、草間彌生氏の世界を語ってもらうこととした。

この他に、版画家の渡辺達正先生には一緒に版画を作るワークショップを担当していただいた。また、土 曜日だけであるが、建築家として有名な伊東豊雄先生設計で名を馳せている図書館の内覧を終日可能とし、 またメディアセンターの展示室CMTEL を開館してもらうことになった。学内のあちこちに点在する作家の 作品を観て回ることもできる。ぜひ、美大キャンパスにおける2 日間を堪能していただけたら甚だ幸いである。

なお、2 日目日曜日は、普段閉校している日である。1 日目とは違った空気感や景色が味わえるかもしれ ないが、食堂類が営業していない。場所は空けてもらう予定だが、大学のすぐ近辺には飲食する店がないため、 お弁当を予約していただけるとありがたい。芸術療法士の集いに出られる方には、軽食が用意されている。 また、最寄り駅の橋本や八王子まで出られると、飲食店に困ることはない。

美大という舞台、大会テーマの意図、芸術系のひとたちとの集いを楽しみに、ぜひとも本校での大会に、 新しい試みの大会にいらしてくださることを希望してやまない。大会テーマや企画がどう変容していくか、 あなたが目撃者になるのだから。

大会テーマ 「芸術と芸術療法の融合」
日 程
平成28年 11月19日(土) スケジュールはこちら
  11月20日(日) スケジュールはこちら
会 場
多摩美術大学 八王子キャンパス レクチャーホールA  
【多摩美術大学HP(http://www.tamabi.ac.jp)】  
大会長 伊集院 清一(多摩美術大学教授)
特別講演
「草間彌生の世界 -Love forever -」
建畠 晢(多摩美術大学学長  詩、美術評論)
 
ワークショップ
「石膏版画をつくる」
渡辺 達正(多摩美術大学教授)
先着50名様で受け付けております。
ご希望の方は前もって第48回日本芸術療法学会事務局(art.therapy48@gmail.com)にお申込みください。
シンポジウム 「芸術と芸術療法の融合」
シンポジスト:渡辺 達正(多摩美術大学教授 版画)
       諸川 春樹(多摩美術大学教授 美術史)
       森下 清子(多摩美術大学名誉教授 環境デザイン)
       松浪 克文(関東中央病院メンタルヘルスセンター長 音楽)
指定討論者: 山中 康裕(京都大学名誉教授 京都ヘルメス研究所所長)
参 加 費 事前申し込み(平成28年9月30日まで)

事前申し込みは受付終了しました。

 
  会員 6,000円
  非会員 7,000円
  学生・大学院生 2,000円
 


10月以降、当日受付にて支払い
 
  会員 7,000円
  非会員 8,000円
  学生・大学院生 3,000円
 
昼食事前申し込み 料金 1000円/1日
事前申し込みのみ受け付けます。

事前申し込みは受付終了しました。

キャンパス内の食堂は1日目は開いておりますが、2日目は日曜日のため利用できません。
周囲には飲食店がないため、お弁当のお申し込みをお勧めいたします。
懇親会 11月19日(土) 多摩美術大学 八王子キャンパス グリーンホールにて
会費 4,000円
当日も受付けております

※事前申し込みは、会員の方は事務局ニュース4月号に同封します所定の振込用紙をご利用いただき、参加費の振込みによって完了とさせていただきます。
 非会員の方は、第48回芸術療法学会事務局(art.therapy48@gmail.com)宛に、以下の内容を記載し、メールでお申し込みください。(氏名、ふりがな、所属、職種、連絡先、昼食の有無、懇親会参加・不参加)

※本学会は、日本精神神経学会精神科専門医制度における精神科専門医資格更新にかかる研修単位取得対象学会(B 群)となっております。
単位取得対象プログラム(特別講演、会長講演、シンポジウム、ワークショップ)へのご入室前に、日本精神神経学会会員カードをご提示ください。

※本学会は、日本臨床心理士資格認定協会の研修ポイントの対象となっております。
大会参加の証明につきましては、参加証をもって代えさせていただきます。

※本学会は、日本作業療法士協会の生涯教育制度基礎ポイントの対象となっております。
大会参加の証明につきましては、参加証をもって代えさせていただきます。

※参加証の再発行はいたしかねますので、各自で保管をよろしくお願い申し上げます。

演題応募要領

第48回日本芸術療法学会は平成28年7月10日をもって演題の募集を締め切りました。
多数のご応募、誠にありがとうございました。

 

お問い合わせ先

〒192-0394 東京都八王子市鑓水2-1723
多摩美術大学 大学院美術研究科・美術学部 伊集院研究室内
第48回日本芸術療法学会事務局 宛
E-mail : art.therapy48@gmail.com

学会情報

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